妖怪ギャグ漫画の当たりが久々に来た。『令和のダラさん』が要求ラインを越えてきた!
妖怪ギャグ漫画の当たりが久々に来たワァ~。
TVアニメ『令和のダラさん』本予告第二弾 | 2026年7月2日(木)放送開始
すごく個人的な基準になるが、妖怪ギャグ漫画というジャンルに対する私の要求ラインは、他のジャンルに比べて結構高い。
妖怪の設定は日本人がなんとなく知っている妖怪像を元にしつつもオリジナリティを発揮してほしいし、怖いところではしっかりおどろおどろしくしてほしい。その上ギャグできちんと笑わせてほしいし、テンポもよくなけりゃいかん。
つまり、妖怪漫画としての「らしさ」と、ギャグ漫画としての面白さの両方を求めてしまうのだ。
そういう無茶な希望をかなえてくれたのが、『令和のダラさん』ともつか治臣だ。

主人公であるダラさんの半身が私の苦手な○○なので、最近まであえて避けていた。
しかしうっかりアニメを見てしまい、もうしんぼうたまらんと全巻購入してしまった。
いやあ、満足満足。
1話の最初数ページでダラさんの過去話、残りで現代での日常話というパターンなのだが、この演出がすごくいい。
ダラさんの過去はなかなかダークでヘビーなもので、この陰鬱さが1話丸々続くと重すぎる。毎話、ちょっとずつ因縁がわかっていくという作りがとても塩梅がいい。しかも、その重い過去を知れば知るほど、現在の日向と薫とのやり取りが馬鹿馬鹿しく見えてくる。この落差がまたいい。
続く日常ギャグパートとは温度差がすごいのに、扉絵を挟むことで一呼吸おけるのもいいね。
重い過去を小出しにすることで、ギャグが単なる息抜きではなく、過去との対比として効いている。
そして毎回、日向と薫に振り回されるダラさんがかわいい。妖怪のくせに一番の常識人じゃないかと思う。そのギャップがすでに面白い。
妖怪という非現実な存在が、スマホなんかのハイテク機器を使いこなして現代日本のカルチャーを語るというギャグも安定の面白さ。
この「妖怪なのに現代社会に妙に馴染んでいる」というノリ、元祖はやっぱりこれでしょ。

そもそも、妖怪ギャグマンガの私的期待値が高い原因は『鬼灯の冷徹』なのだ。
これを基準にするのはさすがにレベル高過ぎだろうとは判っているんだが。
妖怪漫画にギャグが入るものは昔からあったが、「妖怪×ギャグ」という組み合わせを、これだけ完成度の高い一つの型にした作品は『鬼灯の冷徹』が初めてだったんじゃないかと思う。
『出禁のモグラ』はこのジャンルを盤石なものにした。
TVアニメ『出禁のモグラ』第2弾PV|2025年7月7日(月)放送開始
江口夏実のせいで、妖怪ギャグ漫画における会話劇、掛け合いの要求レベルが跳ね上がったよなあ。
読者にとってはうれしい限りだが、漫画家は大変よな・・・。
前にも書いたが、妖怪モノに必要なのは、じっとりとした湿気と黴臭さだと思う。
この3作品に共通しているのが、物語の土台部分や背景にある、湿気を孕んで淀んだ空気だ。
そんな湿った淀みをコミカルさと両立させるところに、和製ホラーの新たな可能性を感じてわくわくする。
怖いのに笑える。笑えるのに、ちゃんと怖い。こういう妖怪ギャグ漫画を、私は待っていたんだよなあ。